2026.08.27

MCCカンファレンス2026を開催しました。

35大会66名が3テーマで熱い意見交換

2026年度のMCCカンファレンスが7月31日(金)、東京新宿区の日本青年会館ホテルで開催され、加盟35大会から66人が参加。大会運営の質向上とネットワークの強化を図る目的で「安全対策」、「インバウンド」、「ボランティア」の3つのテーマで意見交換を行いました。

参加者は3つのグループに分かれ、3テーマを順番に巡ってディスカッションしました。まず事務局である(株)アールビーズ(以下、RBS)の大会担当者が各課題の現状や背景、対策や取り組みの代表例などをまとめたパネルを使ってプレゼンし、参加者それぞれが直面、経験する生の声を分かち合いました。

「安全対策」は、気候変動による暑さ、災害対策に加え、クマのような危険動物出没という新たなリスクも加わり、開催可否判断に直結するテーマ。

「インバウンド」は、コロナ禍を経て回復傾向がみられるエントリー対策の中でも注目度が高く、具体的なアプローチを模索する大会が少なくありません。

「ボランティア」確保は大会運営に不可欠な永遠の課題であり、実践例が多い半面、協力者の高齢化と相まって年々深刻度は増しています。

同じような状況に身を置きながらも、目の前の大会運営に追われる中では交わすことが容易でない共通の悩みや不安、具体的な判断や反応などを分かち合い、新たな気づきを見出すことが最大の狙いです。

ディスカッションの中では、実際の課題を前に開催中止の判断に迫られた大会の臨場感あふれる声も聞かれ、真剣な表情でメモを取る参加者の姿が印象的でした。

また、パネルごとの意見表明をきっかけに会場のあちこちで参加者同士がフランクに声を交わし合う場面が展開されました。MCC年間大賞の選考委員も参加者の一員としてディスカッションに加わり、専門家ならではの知見や出場経験に基づいた指摘を交えて情報交換の場を盛り上げました。

川内優輝委員

鍋倉賢治委員

野上麻理委員

弓削田眞理子委員

吉田誠一委員

行場竹彦委員

パネルディスカッション終了後の選考委員評(抜粋)

川内優輝委員(プロランナー)

「災害対策のマニュアル作りは大会毎に、リスクが限定されるクマ対策は近隣大会と備品を共有連携して負担を減らすなどの工夫も。インバウンドに関して海外のランナーと話すと英語のホームページは重要。ボランティア確保はパートナー企業に新たな協賛スタイルとして提案できないか。」

鍋倉賢治委員(筑波大学体育系教授 ランニング学会会長)

「開催地の地元大学生や高校生と協力を強化することで、外国人ランナー対応のインバウンドにもボランティア確保が繋がるのでは。安全面ではマラソンに最適の気温は10度以下なので、秋冬の大会でも油断はできないことを前提にした対策が求められている。」

野上麻理委員(Haleonジャパン株式会社代表取締役社長)

「ボランティア不足で大会が無くなるのは参加者もとても悲しいので、早めにスタッフ集めの協力を呼びかけても良いのでは。海外のランナーにとって日本の大会はホスピタリティも観光面でも非常に魅力的。AIの時代、言葉の問題はスマホ一つで乗り越えられるので自信を持ってチャレンジして。」

弓削田眞理子委員(市民ランナー 60代女子で世界初サブスリー)

「これからの大会は海外ランナーが表彰されたり、クマ対策が求められたり、ますます新しい施策・対策が求められる。また十分な準備や練習なしにフルマラソンに挑む初心者が増えれば、救護をはじめ根本的な安全対策の重要性も増す。大会主催者の苦労を改めて認識し、参加者の一人として応援していきたい。」

吉田誠一委員(元日本経済新聞記者 月刊ランナーズ誌ライター)

「日本の暑さを考えると、マラソン大会を安全に開催する時期やスタート時間を見直す時に来ていると感じる。運営の在り方が変化を迫られる中で、ランナーとして大会を走るだけでなく、ボランティアも大会参画の一つの形態とする新しい価値観を醸成することが必要と感じる。」

行場竹彦委員(月刊ランナーズ編集長)

「74歳の私の母が10年前からボランティアとして大会に参加しているが、周りにも同じような選択をするランナーが少なくない。普段は大会を走る魅力を取材して報じているが、ボランティア活動の魅力を雑誌で伝えていくことで、少しでも皆さんの課題解決にも貢献していけるのではと感じた。」